循環

ある講座で、

「50年後の自分を想像する」

という課題がありました。

私の年齢を考えると
この世に存在するかどうか、
或いは、存在しても思うように
行動できないでしょう。

しかし、行動できなくても
自分の置かれている状況が認識できる状態なら
子供たちと老人が集うコミュニティの中で
温もりを感じていたい。

私はある時期から

「循環」

という言葉に
惹かれるようになりました。

人も動物もあらゆる植物も
地球も太陽系も銀河系も宇宙全体が
果てしなく終わりなき循環をしています。

少し視点を変えれば、
人類が残す文化や歴史も
循環していると言えるかも知れません。

人が後世に伝えていく文化、
やがてそれらは歴史に刻まれます。

善悪、区別なく、
人類が消滅するまで歴史に深く刻まれ、
残された者が未来に伝承するという
循環が存在します。

私の幼少は、
父がおらず、お袋が働いていたので
おじいちゃん子でした。
とても厳しかったけど、
おじいちゃんには温もりを感じていました。

私が幼稚園の頃だったと思いますが、
おじいちゃんにこんな質問をしました。

「何故、人を傷つけたらいけないの？」

おじいちゃんは軍隊で、
多くの戦友をなくしてます。

おじいちゃんが
こう答えたのをはっきり覚えています。

「何故、人を傷つけてはいけないのか
生きている限り考えなさい。
答えは出ないかも知れないけど、
考え続けることが大切なこと」

と、

私は子供ながらに
質問の答えになってないと思いましたが、
いまでも答えを探しています。

それは、考え続けることが、
大切だと分かっているから
多分。

このようなことを、子供たちに 
伝えれる老人になりたいと
思うようになりました。

子供には、たくさんの言葉は
いらないかも知れません。
　
一生かけても答えが出ない
課題を与えるだけで、子供は考え続けます。

50年後がどうなっているか
分かりませんが、

少なくとも、私たちの軌跡を
辿っている人たちがいることは確かでしょう。

それが良くても

悪くても
　

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