人間は人の間と書きます。
人と人の「間」にも適度な間が必要なように
建物にも適度な「間」が必要です。
特に日本人は「間」と大切にします。
会話、文章、絵画、音楽、伝統芸能、武芸
造園、いけばな、お茶など、
これらは「間」が大切な役割りをしています。
「間」とは、
余白、何もないところ、モノとモノの空間
それぞれのジャンルの解釈があります。
建築の「間」は、
よゆう、ゆとり、遊びココロと
言っていいでしょう。
機能的で無駄をはぶいたデザインは
面白みがなく寛げません。
用途があるようでない
曖昧な空間が遊びココロ。
都会的なシャープな空間は、
店舗には良いですが、息を抜く場所がないので
住まいには向きません。
では、建築の遊びココロの空間には、
どんなものがあるかというと、
京都の町家でいえば、
床の間、坪庭、土間、
現代建築は、
ニッチ、吹き抜け、中庭、デッキ
外構では、庭もそうですが、
玄関までのアプローチに、飛び石の大きさと間隔で
来客の足取りのリズムを作る工夫をしています。
このように、
遊びココロは、住人の心を豊かにし
視線の落としどころを作る重要な空間であり、
非日常空間を作る場でもあります。
日本人のDNAには
農耕民族の血が流れています。
私たちは、四季折々の中で過ごし、
緑や土、風が通り抜ける空間
そんな風土の中で生活していた習慣が
受け継がれているはずです。
このような「間」の意味を
専門家は知っていて当たり前、
お客様に気付いてもらうのも仕事のうち。
住まいの「間」は、
予算がなくても狭小住宅でも
大切なことと理解さえできれば
作ることは可能です。