小学生の頃、木をつたって
体育倉庫の屋根に上がった。
上がったのはいいが、
怖くて屋根から木に移ることができない。
もう残された道は屋根から
地面に飛び降りるしかない。
高さは約3M
大人にしてみればどうってことない高さだ。
屋根に上がったのは午後3時くらいだったが
日が暮れかけても飛び降りる勇気がない。
辺りはだんだん暗くなってくる。
何度もなんども
屋根の端に立って勇気を振り絞るが、
降りれない。
これ以上、暗くなると地面が見なくなり
もっと恐怖が増す。
一夜を屋根で過ごすか・・
飛び降りるか・・
ギリギリまで追い込んで
死ぬ気で飛び降りた。
飛び降りて下から屋根を見ると
なんでこんな低いところから
飛び降りれなかったのかと情けなくなる。
それと同時に、不思議な悦を感じる
達成感が湧きでてきた。
最近、この事を仕事に置き換えて
よく思い出す。
この数年、
一歩が踏み出せなかった。
すべてにおいて、自信がなかった。
怖くてこわくて仕方がない
どこか
「このままでもいいや」
という気持ちがあった。
去年の11月、
これから始める違う分野の講座で
初めて登壇した。
納得がいくまでシミュレーションして練習した。
前日は眠れないくらいの不安。
またあの事を思い出す
そう、屋根から飛び降りれなかったこと。
きっと、講座が終わったら
あの時と同じ達成感を味わえる
思っていたより低く感じるはず。
そんなことをイメージしながら
講座を終えたが、小学生の時に感じた
達成感も屋根が低く思えた感もなかった。
ただ、「決断」したことへの
小さな達成感があったに違いない。
今も、小さな達成感を重ねながら
少し高い屋根に上がっている。
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