今日はステンドグラス教室で
舞鶴に出張。

 

そう言えば、私がまだステンドグラス作家
として全盛期だった頃の話。

 
建築設計も平行してやっていたので、
バタバタと忙しくしてましたが、
不思議にお客様からのクレームは
一度もありませんでした。

 

私の作風が気に入って下さっている
お客様は別として、
ほとんど初めてお目にかかったお客様ばかり。

 

 

同業者から、何故、クレームが発生しないのか
聴かれたことがあります。

 

特に理由はありませんが、
急いでいるお客様の受注をしないだけです。

 
でも、こんなお客様には注意してました。
 

参考写真を持ってきて

「こんな感じでお願いします」

一見、やりやすそうでしょう。
これが一番コワイ。

 

どうしてかというと、

写真を見た私が受けるイメージと
お客様が持っているイメージのギャップです。

 

どこがギャップかと言うと
 

お客様と私は、
ステンドグラスに関わった時間が違います。
 
当たり前のことですが、
私は何十年もス関わっているので
写真を細部にわたってイメージだけで再現できますが、

お客様は、イメージ写真の色合いしか感じないところに
ギャップが発生します。 
 

このギャップを埋める作業は
短時間ではできません。
 
通常、1週間で完成するような作品でも
1ヶ月くらいかけてお客様と打合せをしながら
期待値に近いところまでイメージをもっていきます。

 

ステンドグラスは、自然光との共演で
部屋の壁や床を舞台として、

そこに色とりどりの役者を演出させます。

それらをお客様にイメージしてもらうことができたら
その作品は完成したようなものです。

 

このように、

お客様の「こんな感じ」をより具体化し
ワクワク感をイメージしてもらうには
時間がかかるということです。

 

これはステンドグラス業界だけでなく
他でも言えることかもしれませんね。