今日は色のお話
ファッションの色合わせでは
まったくセンスがない私ですが、
インテリアになると専門分野。
インテリアの色は、
外光が入らないビル内の店舗なら
基本から外れなければ問題ありません。
ところが、
外光が入る室内だと
なかなか基本どおりとはいきません。
専門家が建物の色を選ぶ基準は
何だと思いますか?
都会と自然が多い地域とは違いますが、
自然界の色を基準にすることが多いです。
例えば、
樹木の葉や草木は、
彩度が3.5~6.0が中心になるので、
渓谷の橋梁や自然の中の建物には
自然界の彩度を基準に考えます。
また、人間の生活環境で
重要になるのが、反射率です。
自然の中を散歩していると、
空気もキレイだし、自然界の色で
癒やされます。
反対に都会のビル街を歩くと、
外壁の金属やガラスに外光が反射して
落ち着きません。
これらの違いが何かと言うと
目に入ってくる風景や建物の反射率です。
日本人の肌の反射率は50%が
基準と言われています。
関係性があるかどうかは別にして
50%以上の反射率があると落ち着かない
というデータがあります。
つまり、
都会の中は反射率が50%以上の素材が
多いから落ち着かないということになりますが、
美容院などの店舗デザインをする際、
長い時間居る住まいと違い、
反射率の高い素材を使って
非日常的なシャープさを演出します。
逆に、住まいなどは
反射率を50%に押さえると
和室のように寛げる空間になります。
最近はどうしても洋室が多く、
壁に白っぽい素材を使うので
反射率は50%以上になります。
そんな時は反射率を抑えた家具を
設置してバランスを取ることが重要です。
一般的には、反射率を抑え過ぎると
暗い雰囲気になりがちなので、
家具や照明でバランスを取ります。
私の場合は、時間単位で移り変わる
ステンドグラスで壁や床に映り込みを入れて
空間バランスをとっていました。
このように住まいは、
長く居る部屋とそうでない部屋は
反射率を考慮しないと、寛げない
家になるので注意して下さいね。
とは言え、
専門家が建てる前に検討してても
実際に住むお客様は、自分たちの好みで
家具を選んで設置します。
結果、反射率のバランスが崩れ
住み心地の悪い家に変貌する場合があるので
家は完成してからも、住環境習慣の
コンディショニングは不可欠です。