先日、友人と飲んでいて、
芸術の話の流れで、突然こんな質問をされました。
「小橋さんは、どんな時に美しいと感じるの？」
説明しようと思うと難しいのですが、
美意識に触れた時
世の中に、美しさの対象はいっぱいあります。
景色、アート、建造物、動物、現象、行動、想い、個体、歴史
どの対象物でも、私の美意識に触れたものを
「美しい」と感じます。
物理的な美しさもあるかも知れませんが、
それほど美しくなくても、過去の想い出と重なったり、
無情感が美しさだったり、
人工的な建造物を
季節の光や風の演出で美しく感じます。
例えば、
建物の外壁が夕日に染まっている時、
新緑に染まった谷間に
真っ赤な橋梁が架かっている時、
高いタワーに月が寄り添った時、
窓から外光が差し込んで壁や床に影を落としている時、
こんな時に「美しい」情感が湧いてきます。
人によっては、「美しい」を「カッコイイ」とか
「素朴」、「シンプル」など、美しさとは
かけ離れた表現をします。
これについて話し始めると切りがないです。
何でもない質問も、
普段、考えてない質問されると面白いですね。
人はこれだけ美意識や価値観が違うのに、
同じものを観て感動するのは
何かしら共通項があるんですね。
この共通項をそれぞれの分野で分析して、
世の中の商品は作られています。
建物も店舗も家具も生活必需品すべてが
研究し尽くされています。
雑貨にいたるまで全部ですよ。
長年、モノ作りをしてきて、解ったことがあります。
共通項を無視し、あまりにも作り手のエゴと個性が
強すぎるものは売れません。
これは、ほとんどの商売に共通しています。
若い頃は、自分の個性を売り出したいので、
ずいぶん斬新なものを作りました。
お客様にお金を出させて
自分のエゴの押し売りしていたようなものです。
こんな商売、誰も喜びませんよね。
ところで、
あなたが「美しい」と感じるのは？
