私は心筋梗塞で倒れてから
それまで携わっていた
建築設計やステンドグラス作家としては
現役から退きました。

とは言え、現在も建築コンサルタントと
ステンドグラス教室は続けています。

 

建築の場合は、
クライアントさんの理想の家づくりの
お手伝いをする関わり方に変わりました。

現状と理想のギャップを埋めるために
家族の習慣を視覚化し具体的な未来図を構築する
住環境習慣コンディショニングというスキルで
クライアントさんの家族に深く関われるようになりました。

 

一方、ステンドグラス教室は、

ステンドグラスを作っている時、
生徒さんの楽しそうな顔を見る幸せと、

自走コミュニティの原型になった
教室を大切にしたいからです。

 

 

そう言えば、こんなことがありました。

PTA主催のステンドグラス体験教室で
起こった出来事です。

 

子供たちと親御さんがグループに別れて
ステンドグラスの作品を作っている時
一人の男の子が、他のグループの子の
作品を手伝い始めたのです。

自分の作品はできてないのにですよ(笑)

 

それを見た先生が注意しました。

「友だちのはいいから自分のを作りなさい!」

その男の子はこう言ったのです。

「僕はすぐできるからいいんや」

先生が、またその子に注意しようとしたので
私が「様子を見ましょう」と止めました。 

 

体験が終わった後、
私はこんな話を親御さんにしました。 

 

子供たちはそれぞれに
目には見えないけど自分を主張する
プラカードを掲げています。

 

例えば、
 
勉強が得意な子は
一生懸命に勉強して成績を上げて
親御さんや先生に褒められたい。
 
スポーツが得意な子は
日々、練習に励み、レギュラーになるのを
親御さんに見てもらいたい。

 
何も得意なものがなくて
仲間に溶け込めない子は
「孤立したくない」というプラカードを
掲げています。 

 

工作が不得意な子は、
消極的になり、皆んなからどんどん遅れます。
ついて行けないので、やりたくなくなり
作ることを諦めてしまいます。

 

それを見た工作が得意な男の子が
手伝って遅れを取り戻すと、それをきっかけに
面白くなり積極的に作り始めます。 

 

率先して手伝っていた男の子は
グループ全員が同時に作品を完成できる
そんな関わり方が得意な子で、
彼はそれをみんなに見てもらいたいのです。 

 

子供たちは、自分が一番
見てもらいたいプラカードを掲げているのだから
大人はそれを見逃さずにちゃんと見てあげてほしい。

 

と、こんな話しがモノ作りを通じて、
できたことに感謝する日でした。